For Learners  英語の上達進度と私の場合

さて、皆さんも疑問に思うことが多いのではないかと思うので、ここでは「どのくらいの期間でどれだけ力が伸びるのか。」をテーマに取り上げて行きたいと思います。
言語学/第二言語習得学の見地からの現在最も確からしい一般論と「いつから英語がネイティブのようになるのだろう」と考え続けた私の学習記録です!





第二言語習得学の見地から

1、現代の第二言語習得学の見地から

 

言語の習熟には大きく二つあります。
有名なカミィング博士の論理で、1つは基礎対人コミュニケーション能力(basic interpersonal communication skills (BICS)) それから、もう一つは認知専門言語能力(cognitive academic language proficiency (CALP)). BICS(ビクス)というのは、日常生活に必要な語学力で比較的早く身に付きます。だいたい、2〜3年とする説が通常。それに比べて、 CALP(キャルプ), 学校環境で使われる概念的な抽象的な言語で、これには6〜7年かかるとされています。おそらく、バイリンガルと言われるお子様の多くは、残念ながらBICSのみが際立って習熟しているといえ、大人になったときに幼稚な英語しか扱えないという問題が出てくるようです。(もちろん、再び学習を再会すれば、子どものときに培った記憶が多いに活躍するようです。)

つまり、一般的な人が大学院や仕事で使える日本語と同等の英語力を身につけようと思うと、最低でも5・6年はかかるのです。しかも、もちろん、それにはかなりの努力も必要です。
(注)この研究結果は英語のみの環境で英語を24時間浴びている人での統計ですので、日本のような英語圏外環境での学習には、当てはまりません。

 


2、上り坂・・・永遠にも思える平坦な道・・・そして上り坂
学習というのは、スポーツであれお勉強であれ、日本人はそれを「永遠に続く道」と考える傾向にあったようです。
「柔道」「剣道」「書道」「茶道」「華道」「武士道」etc
また、熟練した達人ですら、「まだまだ未熟者です。」と、腰を低くし自分を見つめる事がその道を究める極意であるかのように振る舞われます。

ですが、私はたぶんそれが真実なのだろうと思います。

話を言語学習に戻してみましょう。
以下の質問を考えてみてください。
・「尊敬語」と「丁寧語」と「謙譲語」、使い分けは完璧ですか?
・助詞と言われる日本語の核になるもの「て」「に」「を」「は」「も」etc、どうして、それから、いつ、どのように自分が使い分けているか知っていますか?
・胸を張ってすべての言葉の意味を知っているし、使っていると言えますか?!
・「欠伸」「肌理」「霙」以上、読めますか?
・日本全国、どこへ行っても方言が理解できますか?

これの一つにでも「はい」と答えられたなら、私は心より尊敬します。あなたは日本語の達人です!
私は無理です・・・・・・・。おそらく、普通は無理ですよねぇ・・・。

言語というのは常に変化します。その変化について行く事も大切。
ましてや、第二言語の変化について行くのは大変です!
つまり言語学習というのは永遠とも思える道なのです。

また、知れば知るほど分からなくなって、また分かるようになって、するとまた分からなくなって・・・というように、それの繰り返しのようです。簡単に描くとこんな感じです!?

 △
 |                          ____
 |                         /
 |                    ____/
 |                   /
語|                  /
学|             ____/
力|            /
 |           /
 |      ____/  
 |     /
 |    /
 |___/
ー|ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー>
                  年数






私の場合・その1
(中学時代から渡米前)

さて、記憶が曖昧なところもありますが、私の学習記録を見てみたいと思います。
アメリカに入国して6年が経ちました。

「いつになったら英語がネイティブのようになるのだろう」と足掻き、もがいて来ましたが・・・。

 

小学生:日本の公立小学校
 英語のカセットテープを良く聞いていました。意味不明で、歌だけ覚えました。

 

中学生:日本の公立中学校
1年生
  英語を習い始めました。
  先生の英語の発音に違和感を覚えて、英語が嫌になりました。
2年生
  初めて英語を実際に使いました。
  「How do you do?」が言えませんでした。でも、英語が好きになりました。
  英語で文通を始めました(高校卒業まで続く)。
  マライアキャリが好きになり、洋楽を聴くようになりました。
3年生
  英検3級に落ちました。でも、英語は好きでした。
  一度AETの先生と会いました。がんばって話そうと努力はしました。
  他は特に何も・・・。

 

高校:日本の公立高校
1年生
  ESSクラブに入りました。
  正式名も覚えていなければ、どんな活動をしたかなんて覚えていません。
  英語の先生に憧れていたので、勉強をしっかりしました。
2年生
  勉強の甲斐あって、英語の先生の進学クラスに入りました。
  が、英語は悲惨でした。
  英検3級に合格。でも、準2級には一次で不合格。
  英語を使う機会が数回ありました。
  「自分は文法は出来ないけど、英会話はできる!」と勘違いしました。
3年生
  将来の指針が決まっていないため、日本の大学で専攻が決まらず。
  留学することに決めました。
  オーストラリアに10日間のホームスティをしました。
  どうやって過ごしたのかわかりませんが、英語がとても出来るように
  なったように思いました。
  TOEFLを初めて受験しました。ペーパーテストで380点だったような・・・。

 

英語の語学学校:日本で1年間
  最初のクラス分けで、自分が下から2番目のクラスだったのがショックでした。
  少なくとも聞き取りと会話ができると思っていたので・・・。
  先生は全員英語のネイティブ。クラスも英語。
  でも、一日4時間程度のクラスが終われば、日本語生活!
  クラスでは、出来るどころか、会話もろくにできず一年間四苦八苦しました。
  卒業時、TOEFL480点。

 

結論:どれもこれも正直効果的とは言えません。堂々巡りというか・・・そこまで真剣に英語に向き合っていませんでした。留学を迎えても、行けば何とかなると思っていたので、必要性もそんなに感じていませんでした。

 

 

 






私の場合・その2
(留学3年間)

渡米

 

二年制大学:アメリカの州立二年制大学

 

1学期目
  英語がまったく通じませんでした。
  マクドナルドでオーダーするのがこんなに難しのか!と現実と直面しました。
  クラスでは、先生を含め周りが何を言っているのか分かりませんでした。
  それでもテストは簡単で、成績はちょう優秀でした。
  寮では英語が通じずアメリカ人とのルームメートと問題があり、
  ルームメートを日本人に変えてもらいました。
  大学のプログラムで、日本に興味のある人との交流をさせてもらいました。
  あるアメリカ人を好きになったのでよく英語で話すようになりました。
  Backstreet Boysに憧れ「いつか会えたときのために」と妄想し勉強しました。
  learn と run、bath と bus、international、などなど、これらの発音が
  どうしても聞き取ってもらえず、苦悩しました。
  口の動きと下の使い方が違うというのに気づき、人の口を見つめ続けました(学習方法の詳細、後日おススメ学習法として追記予定)
  結局、アメリカ人の同世代の友人が出来ませんでした。
  このままの英語力では恥ずかしすぎると、寮を出て、ホームスティする事に
  しました。
冬休み
  日本への帰国は、ホームシックで戻ってくるのが嫌になるのではと恐れ、
  アメリカに留まりました。
  友だちとロサンゼルスへホームスティに行きました。
  放置プレーで、ホストには相手にしてもらえず、日本人2人での
  旅行になってしまいました。
2学期目
  ホームスティが始まりました。ホストファミリーはとてもいい人でした。
  plaza の z の発音が出来ないと指摘されました。
  idiomをあまり知らなかったので、ホストファミリーとの会話が大変でした。
  いちいち、意味を習っていました。
  スティ先の本棚に幼児向け絵本がたんまりとあり、読破しました(学習方法の詳細、後日おススメ学習法として追記予定)。
  幼児向けとはいえ、ネイティブ用、知らない単語の多さにビックリしました。
  冗談に多少ついて行けるようになりました。
  アメリカンジョークの意味が分かるようになりました。
  英語でテレビを家族と一緒に見るので、その度に質問して教えてもらいました。
  下品な会話も覚えました。
  授業は英語がのびるように、interpersonal communication を履修。
  英語で話せる話題や自分の考えがないために、発言が出来ないと言う
  事が分かりました。
  日本語のできるアメリカ人と仲良くなりました。
  日本語と英語まじりの会話で、たくさん教えてもらいました。
  日本に興味があるというアメリカ人の同世代の友だちも出来ました。
  仲の良かった日本人の数人の友人達が留学を断念。帰国して行きました。
夏休み
  再び帰国拒否。ボストンの語学学校に行きました。
  ホームスティしました。
  優秀な先生とワンツーマンで、毎日英語。日本人の知り合いもいない。
  他の国からの留学生とたくさん友だちになりました。
  それが功を奏したのか英語がどんどん伸びました。
  TOEFL 520点。
3学期目(2年目です)
  新しい日本人がやって来ました。
  ホームスティが終わり、寮に戻って来ました。
  新しく来た日本人に比べるともちろん自分の英語は素晴らしく・・・、
  勘違いしました。
  英語力の低下がいやだったので、日本人とも英語で話そうとがんばりましたが、
  もちろんうまく行きませんでした。
  ですが、良い友だちが出来ました。今でも心の友です!
  ええ、日本語漬けです(笑)。
  四年制大学への編入先をアメリカの名門校に決定・挑戦しました。
  専攻を国際関係学・政治学へと絞りました。
冬休み
  同じく帰国拒否。アメリカに留まりました。
  中国人の友だちと仲良くなり、不思議な英語に囲まれた日々を送りました。
  生活するには困らないのかも・・・と感じるようになりました。
  SATを受けました。英語は・・・・・・・ボロボロでした。
  悲しくて点数も覚えていませんが・・・。
4学期目
  日本人の彼氏ができました。寮を出て日本人数名と一緒に暮らし始めました。
  ええ、もっと日本語漬けです。
  幼児向けのテレビ番組を毎日録画し聞き取りの練習をしました(学習方法の詳細、後日おススメ学習法として追記予定)。
  ニュースはまだまだ言っている事が分からないし、面白い番組がいつあるのかも
  分からなかったので、発見した幼児番組で英語を練習しました。
  簡単で丁寧な英語だったので高価は抜群!!!!
  受験生として、引き続きSATを受けるための勉強を続けました。
  が、点数伸びず。そして、あえなく名門校のハードルは高く破れました。
  2年制大学のはずなのに、履修の仕方に問題があり、卒業できないという
  事がわかりました。
  仲の良かったアメリカ人の友だちが編入のため地元を去りました。
夏休み:日本一時帰国
  一年半ぶりの日本です!
  英語が出来る事をアピールしたくてたまらず、oops(しまった)などの
  単語を発していました。
  友だちと飲み会に行くと、「日本語の単語が出てこない」などとありの
  たまっていました。イタい子です・・・。
  AETの先生のための通訳をしました。
  地元に英語が出来る人がいなかったので、とっても思い上がりました。
  英語のニュースを日本で見ました。意味が分かりませんでしたが、
  思い上がっていたので、あまり気にしませんでした。
5学期目(3年目)
  新しい日本人が増えました!
  ますます日本人同士の交流が深まりました。
  大学の成績が落ちました。
  自分の将来の夢が分からなくなりました。
  大学の授業とたまに会うアメリカ人の友だち、英語の用途はそれだけのため、
  英語が伸びなくなりました。
冬休み
  日本人の友人がみんな帰国し、ホームシックになりました。
6学期目(最終学期)
  四年制大学への編入で、カリフォルニア大学3校に合格しました。
  SAT も TOEFL もいらなかったので、これといって勉強しませんでした。
  TOEFL 577点。


  が、日本への完全帰国命令が出ました。
  自分の目標も見失っていたので、帰国することに決めました。
  日本での就職を考えました。
  外資系企業へのお誘いがありましたが、自分の英語力に自信がなかったため
  お断りました。
  
この3年間の結論:留学だけでは英語習得に至りません。

自分の英語力では仕事にならないという現実に直面しました。大問題です・・・。

 

帰国






私の場合・その3
(帰国後3年間の英語学習)

さて、帰国した私なのですが、運良くさっさと就職先が決まり、某進学塾で塾講師となりました。正確には個別指導の塾長兼雑用でした。実際に教えるのはバイトさんたちで、私はどうしても手が足りないときに授業を見る程度。

 

この仕事を選んだのには、一応理由があります。
 学習できる環境にいたかった事。
 英語は使えないが、やはり少しは触れていたかった事。
 だけど、田舎にいれば、どんなへぼでも私はやはり「英語が出来る人」として扱われてしまうので、それに満足しないように、未知の物を。
 でも、英語以外で出来る事をするしかないので。

などなど、ま、くっつかず離れずのような中途半端な関係を選びました。

 

私の就業は3年間なのですが、この間もいろいろ足掻きました。

1.なるべく英語で考える。独り言は英語で。

2.会社のメモも英語で。(後で読んで意味が分からない事がしばしば・・・。)

3.ハリポタなどの英語の本を読む。(面白くなくて失敗)

4.英字新聞を読む。(面白くなくて失敗)

5.英語勉強会に出席する。(レベルが低すぎて継続不可)

6.英語で話す。(英語が出来る人がいず、失敗)

7.NHKの英会話を見る。(やぱり基本すぎて継続不可)

8.高校生の問題集をやる。(授業のためだったので随分やりました。意外と難しくて驚きました・・・。というか、古語や文語的用法が多いですね。日本の高校生はすごいなぁ・・・。)

9.スピードラーニングとやらをやってみる。(内容が面白くなくて失敗)

10.記憶術やら超勉強法やらの本を読んでみる。(自分にあった勉強法ではない事がわかる・語呂合わせ暗記法は個人的に好きですが・・・。)

11.テレビ・ビデオを英語で見る(二カ国語放送がなかったので、主にビデオです。幼児向けのビデオをAmazonで購入。楽しくて何度も見ました!簡単だけど知らない言葉は山盛りです!実家では二カ国語放送やBSやスカパーがあったので、ニュースなど。聞き流す程度でしたが、やっぱり耳をならしておくのは良かったと思います。意味はがんばって聞き取っても分かりませんでした。)

12.子ども向けの英語の絵本や日本語のバイリンガル絵本を読む。
これは楽しかったです!やっぱり、無理の行かないレベルというのが最適のようですね。背伸びしてもどうにもなりません。

13.English Journalを読む
これは、とっても良かったです。Shadowingという学習方法が進められていますが、これは確かに効果的ですね。内容も楽しいし、月刊発行なのでペースもゆっくりだし。私は、CDの聞き流しだけでも効果があると思いました。

14.メル友を作る
PenPal か PenFriend で検索をかけると、様々な交流サイトが見つかりますが、そこから英語が使えるメル友を見つけてメール交換しました。でも、話す事がつき、メールの縁もつきました・・・。

 

ここから、得た日本での勉強のこつ

1.独り言は大切。
  英語のフレーズを丸暗記して、自分のときだけにでも使っていると自然と慣れ
  てきて、いざというときにも便利です!
  英会話と違って他人の目は気にならないし、レベルを会わせる必要もないし。

2.洋書を読む時は無理をしない。継続には辞書なしで読めるものを!
  日本の高校生程度の英語力はかなり偏っています。幼児向けの本であっても、
  くだけた文法や話し言葉などが使われている事がおおく、また、実生活での
  単語も多くあるため、意外と難しいです。ましてや、政治経済・文化を駆使した
  新聞なんて辞書なしで読めるはずがありません。数行ごとに辞書を使わなければ
  いけない本読みは退屈で続きません。前後の文から意味を推測しろと言われる
  方も多いですが、無理です。語彙力が少なくていいものや自分の予備知識の
  十分ある物を読む事がおすすめです。
  続けなければ意味がありません。難しい本1冊よりも、簡単な本100冊です!

3.聞き流すだけでも効果はある!
  聞き流すだけなんて・・・・と思われる人多いでしょう。いろんな英語教材や
  ブログや自己学習法サイトに書かれているのをよく見ます。
  「3ヶ月聞き流すだけで英語が理解できるようになる」とか。
  この見出しはかなりの誤解があり、文字通りのようなことはありえません。
  ただ、聞き流しをする場合、内容を理解するというよりも、
  英語のリズムに慣れるのが目的です。
  まずは日本語と英語のリズムの差に慣れる事が確かに学習の近道
  と言えると思います。
  内容や文法、単語が気になって仕方がないという場合は効果があまり出ないので、
  かならず、和訳があるもので、内容とその英文も確認してから、CDを聞き流す
  ことをお進めします♪

4.Shadowing シャドーイング
  これは面白い勉強方法だと思います。
  簡単に言うとCDで聞きながら自分でも英文を読むという方法です。
  単純の要で結構理にかなっていて、言語というのは自分で発音できないものは
  聞き取れない仕組みになっているのです。フレーズにしても言い回しにしても、
  単語一つにとっても。だから、CDの発音をまねして、フレーズを音読してい
  くのは、話すためよりも聞き取るための練習なんです。
   
  言語能力は発話力、聞き取り力、読み取り力、書き取り力なんて分かれて分析されていますが、これらはそれぞれがそれぞれを相乗させて行くので、聞き取りが出来て、話せないなんて状態は早々続きません。一つの事が出来始めると面白いようにいろんなことが同時に伸びて来ますよ!

 

帰国1年半後
  TOEIC 880点

 

さて、この間私は2度米国旅行に行きました。
友だちを訪ねて行ったのですが、その時に思った事は不思議なくらい自分の英語がスムーズだったという事です。

もちろん、それは錯覚なんです。

よくよく考えるとこの現象の理由は簡単で、旅行で使う英語は限られているからなんです。たとえばアメリカ人の友人に会っても、話しは共通の話題のみ。空港と買い物・・・他に何かありますか?要するに必要な英語の範囲がものすごく狭い、簡単に言うと高校生程度の英語力でなんとかなるところに、留学3年+αの力で対応しているのだから簡単なはずなのです・・・ 。






私の場合・その3
(退職後、再留学そして現在)

帰国後なんとか英語とはつかず離れずの関係を保っていました。

また、2度の米国旅行では、英語が思いのほかスムーズでした(上記参照)。

帰国一年半後に受けたTOEICも、満足という結果ではなかったものの、テスト対策なしで、しかも時間切れで10問ほどブランクで提出しても880という結果だったので、多少英語に対する危機感が薄くなりました。

また、いろいろな場面で英語が出来る人として常に頼られ、仕事では高校英語の教務担当をまかされるなどしていたので、留学中よりも変に英語に自信がついてしまっていたように思います・・・。

 

退職後

さて、2004年10月、仕事を無事退職。

理由は翌年2005年8月から再留学のため。

留学の目的は英語習得学の研究。

現在も引き続き英語教授法/外国語習得学の教員を目指しています。

 

希望通り、再留学のために、エッセイ/成績証明/財政証明を11月末には第一志望のサンフランシスコ州立大学に提出。12月あたまには合格通知を受け取りました。

 

ですが、そのままヘルニアで入院、これから4ヶ月の闘病生活となってしまいました。

ここで予定していた他校への出願とTOEFLのテストを棄権しました。

 

その間の英語ですが、ゼロです。

とても勉強する気にはなりませんでした。

 

しかし、ヘルニアは手術後無事回復!!

そして、2005年6月、ぎりぎりでサンフランシスコ州立大学/英語学部言語学専攻への入学を決定。

ためらい混乱しながらですが、なんとか諸手続きを終了。

8月再び、渡米いたしました!!

 

 

再留学1年目(在米4年目)

なんということでしょう。

ま、皆様ご期待通りです。

再びというか・・・思ったよりも英語がさっぱりわかりません。

授業についていけません。

言ってる意味が分かりません。

私の言う英語もなかなか伝わりません。

よって、授業での発言は控えさせていただきました(よくない傾向です・・・)。

 

サンフランシスコは人種のるつぼ。というよりも、ラテン系アメリカ人や中華系がとにかく多く、カリフォルニア英語ではあるものの、独特のアクセントがとにかく多種多様でした。先生たちも幅広くいろいろな州からいらしていたので、先生の方言にも苦労しました。

また、とにかく、勉強漬けでした。

文学やら言語論理やらで興味があって楽しいものの、一般教養とは違って専門的なので一般の辞書にはないような表現・言葉・専門用語が容赦なく飛び交うのです。

単語力のなさを痛感しました。

教科書や論文を読む量も鬼のように増え、大学の授業のための勉強以外していなかった、むしろできなかったような気がします。

 

今回は単独留学ということもあって、最初の一年はあまり日本人の友だちができませんでした。

サンフランシスコは日本人が多いはずなのですが、学部・専門が決まると、行く教室も大体同じになり、寮にでも住むなり、大学の日本人会のようなものに参加しないない限りなかなか知り合いません。カフェテリアや構内で日本人らしき人は見かけましたが知り合うにはいたりませんでした。

また、短大とは違って、英語がきちんとできる日本人が多いのです。焦りました。在米数年足らずでも、私よりも遥かに上手な人が盛りだくさん!多少優越を感じられるかと思いきや逆に焦りの毎日でした。

大学では授業に行くだけの時が多く、それに英語学部ということもあってか、同じクラスに日本人がいるということがほとんどありませんでした。あっても、接点がないためになかなか仲良くなれず、とにかく英語のみの生活。

必然的に、仲良くなった友だちはアメリカ人だらけでした。よって、学校では常に英語。

アパートは白人アメリカ人宅への下宿だったので、帰っても英語。

そんな理想的な環境になってしまった訳なのです。

 

おかげで、苦労して勉強方法を考えなくても英語漬けの日々となりました。

 

くわえて、パソコンが壊れました(すぐに直りはしましたが・・・)。なので、ネット上の日本語へもアクセス不可。仕方がないのでテレビを見ました。 今回はこのテレビが大活躍!ケーブルテレビがあったので、見たい放題。好きな番組がいろいろできました。しかも空前の日本アニメ、通称ジャパニメーション、ブーム!!知ってる番組や見たことのあるアニメがたくさん♪ (テレビ学習法後日追加予定!)

 

ですが、英語の伸び・・・がなかなか感じられず、とにかく苦痛の一年間でした。

 

この苦痛はおそらく、3年間の前回の留学経験から他の日本人より抜きん出ているはずだという間違った前提条件にありました。みんな私程度でならできるので、自分が特に上達しているようには到底感じられませんでした。また、みんな積極的で、課外活動等もどんどん参加しているようでした。ですが、私は授業について行くので必死で本当に「それだけ」しか出来なかったのです。そのことも焦りの要因となりました。

また、授業では専門的なことばかりで、この段階での英語力で語るには無理があり、授業でも積極的に発言は出来ず、また、無理して使い慣れない単語を使おうとすると意味が違っていたり、発音が間違っていたりと聞き取ってもらえないことが多々あり、更に自信を失うこととなりました。

もう一つの障害は、先生という仕事をしていたということでした。先生としてまた英語教育の中心となって仕事をしていたので、気づかない間に「学習者」ではなく「先生/大人/社会人」になっていました。

つまり「失敗は許されないこと」という考えになっていたのだと思います。「失敗は恥ずかしい。なぜなら英語暦13年留学歴3年。つまり英語が自由に使いこなせて当然のはずだから。」そう思い込んでいたのです。自分の思い込みが「学習者」という身分の変化について行けていませんでした。

だから、間違いを指摘されるのは苦痛でした。

だから、変にかっこ良く言おうとしたり難しい言葉を使おうと構えるあまり、英語がスムーズに話せませんでした。

そして、聞き取れなくても聞き返すことをあまりせず、作り笑い、分かった振りをするようになっていました。

「わらかない」と言うのが怖いのです。なけなしの自尊心を捨てる気がしたのかも知れません。

 

間違って当然の「学習者」である以上、謙虚さが大切なんです。第二言語では常に「学習者」であるという気持ちの方が伸びると思います!!

 

 

冬・夏休み  日本へ帰国しました。 とやかく英語に触れることなく平和な日々でした。

 

再留学2年目(在米5年目)

さすがに2年目になると、英語的な余裕が出て来ました。

変化としては

→ 他人の英語力が気にならなくなりました。

→ 授業中の発言が苦にならなくなりました。

→ 授業中のショートエッセイ形式のテストで高得点がもらえるようになりました。

→ テレビを見るのが楽しくなりました。

→ 会話がスムーズになりました。

 

それでも、英語で仕事をするほどの自信はなく、OPT(Optional Practical Training)や英語教師としての就労は考えられませんでした。

 

そのかわり、大学院への進学を考えていたので、受験勉強でGREとエッセイに悩まされました。GREではとにかく単語力をのばすために単語練習をしました。語呂合わせが一番覚えられると判明しました(笑)。

 

冬休み 

サンフラにこもって受験勉強しました

TOEFL 601点

 

結果、5校受けて4校合格、うち3校から部分的に奨学金をもらえることになりました。奨学金が一番多くもらえることになった現在の大学、シンシナティ大学へと進学を決めました。

 

結論

この2年間で総合的に学んだことです。

・発音はあまり気にしなくてもいい。それよりも堂々と話す。

  先述しましたが、中華系やラテン系の多い町で、彼らのアクセントはすごい強いです。

  というか、ひどいです。正直聞き取れない時の方が多いくらいです。

  ですが、彼らはそれに恥じることはありません。その上、彼らのそんなおかしな発音

  でも普通にネーティブさんとコミュニケーションが取れているんです。

  なのに、私はよく聞き返されました。でも、これって私の発音がおかしいんじゃな

  いんです。彼らの態度がでかかったんです

  が、これは効果的でした。

  私もふてぶてしく話すようにしました。きれいな発音を意識するよりも多少なまっ

  てても堂々とはっきり話しました。いや〜聞き取ってもらえるものです。

  注意:それでもある程度はきっちりマスターした方がいいと思います。

 

・自分が思っているよりも努力してればそれなりに伸び続けている。

  英語力というのは目に見える物ではありませんが、努力している限り無駄になっている

  ことはないようです。

 

・単文がいい。

  ちょっと稚拙に聞こえてしまうのでとも思いますが、単文でも明確に自分の意見を

  述べられるのがいいのです!かっこつけるひつようはありません。4・5年たっても、

  第二言語において「学習者」であることにはかわりありませんから!!

 

・単語は命!!   単語力がない・・そう感じているなら地道に単語学習して下さい。

  放っておいても、ある程度は身に付きますがそれ以上にはなりません。

  そして、会話/リーディング/ライティングの中で一番必要なのは文法力よりも

  単語力・語彙力です。また、単語・語彙力がなくては文字通り話になりません。

  一日一個とはいいません。気が向いたときにはどんどん単語・語彙を増やして

  いきましょう!

 

・ネイティブへの近道は、自分が間違うことで伸びる「学習者」であるという謙虚さを持って最低5・6年しっかり努力することだと私は考えます。

  言語学的な見解を最初に話しましたが、ネイティブレベルになるには通常6〜7年   英語漬けであることが要求されます。一夜にして英語ぺらぺらはありえません。

 

 

現在(在米6年目)

  大学院生です。クラスメイトに日本人はいません。

  日本人の友人はみんな英語堪能です。

  英語を使って仕事しています。大学の講師です。

  博士課程へ進学予定です(限りなく未定ですが・・・)。

 

 

未だに苦痛なこと

  翻訳/通訳(現在論文和訳中。無理かも・・・)

  電話(聞き取りにくいので、極力話したくありません・・・)

  専門用語の多い文章(契約書、取扱説明書など)(これはこの先も無理かも・・・)

  黒人/サザンアクセントの英語(これもやっぱり無理かも・・・)

 

 

とにかく、まだまだ、学習中です。 ネイティブのようなわけにはいきません!